ある野球少年の為に…
2005-07-26
昔、球場にオーロラビジョンが設置され始めたごろ、三十代後半のAという男が10歳のBという野球少年の為にプロ野球の始球式を投げた。
Bは1年前に少年野球の練習から自転車に乗って帰る途中、車と接触して右のスネを骨折したが、骨折は完治してあとはリハビリをすれば走ることもできるようになる状態だった。
しかし、Bは松葉杖がないと歩けないと思い込んで離そうとせず、リハビリの予定が進まない状態だった。
その事をBを担当する医師が以前、治療したAにBを勇気付けるように頼んだ。Aはバイクの事故で左のスネを骨折し、後遺症で足の指が2本動かないが、リハビリをして無理をしなければ普通に歩ける状態にまで回復した人物だった。
しかしBの思い込みはすごく、リハビリはできなかった。
そこでAはBに「○月×日の□△対★△を見てほしい」とプロ野球の試合を見るように言って帰って行った。
「見てほしい」と言った○月×日、普段は19時ごろからテレビ放送が始まるはずのプロ野球の中継放送がなぜかこの日だけは17時50分から始まることになっていた。
17時5