どうせ

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2010-11-24

「話って何?」
「イギリスに行くことになったんだ」
「えっ」
「いつ帰ってこられるかわからないけど、待っていてもらえるかな」
「……ええ、ずっと待っているから」
本当は離れたくないのだが、仕方なくユミはそう応える。

ユミとシンジは、付き合って二年になる。
二人の仲は良かったが、ユミがシンジにぞっこんで、包容力のあるシンジは
ことあるごとにそれに付き合ってあげているようにも見えた。
さらに、高校生と社会人ということもあり、周囲には二人の関係をよく思わない者もいた。

  シンジがイギリスに行ってから、一週間後。
「シンジ君がいないと寂しいよ。あれから何の連絡もないし」
「忘れちゃいなよ、そんな冷たい男」
「きっと忙しいんだよ。毎日休憩時間に愚痴ってごめんね、ユキ」
「いいんだよ。幼なじみじゃん。でも、本当に大事に想ってる人なら、
 親に反対されてでも側にいるべきだと思うけど

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