「でも、これで暖かくなったでしょ?」
2011-05-18
低学年までは、結構自由に遊びまくってた物だけど、中学年の終わり頃になると、
もう何か塾や習い事に行かなきゃいけませんって雰囲気になってくる。
とはいっても、その雰囲気に一番敏感なのは母親っていうのに相場は決まっていて、
本人の意思とは無関係に勝手に決めてきてしまい、果ては家計を圧迫するだのなん
だの好き勝手言い始めて、家庭内がぎくしゃくしたりもするもんだ。
それまで、友達と全力で遊んでいた立場としては、たった週二日とはいえ、
大事な時間を無駄に消費しているような気がして、正直かなり不機嫌だ。
かといって嫌な事ばかりかといえばそんな事は無く、それなりに新しい楽し
みも見出していた。”塾での居残り”っていう言い訳のもと、公然と夜遊び
が出来る事。すっかり手足のように馴染んだ自転車で夜の街をかっとばし、
晩御飯に手渡されたメシ代で最高に旨い買い食いで腹を満たす。夜のコンビ
ニに流れる洋楽を聞けば、少しは自分が大人になったような気がして、俺達