二人目の親父
2004-09-30
漏れには親父が二人いる(いた)。
本当に血のつながった親父は漏れが幼稚園の頃に交通事故で突然死んだ。
ガキすぎて人の死が理解できなかった漏れは葬式の時も元気に走り回り、
周りの人の涙を誘っていたらしい。
漏れが消防の高学年になりつつあるころ、おかんが一人のおじさんを連れてきた。
おじさんというにはまだ早い、30代後半のその人は体格もでかく、
顔も外人みたいに彫りの深い、本当の親父とは似ても似つかない人だった。
その人は杉浦さんと言ったので、漏れ達姉弟は「杉さんのおじさん」と
ずーっと呼んでいた。
何度か通ううちに、いつしかおじさんは漏れの家に住むようになり、漏れが
厨房になるころには立派に家族の一員になっていた。
市場に勤めていたので朝早く、毎日4時に起きて仕事に行くくせに晩飯の用意とか
片づけを手伝ってくれたり、漏れの悪い友達が家に遊びに来た時にはゴルフクラブを
持って追い返してくれたり、漏れはいつしか「親父っ