強いよ姉ちゃん
2005-10-02
俺は姉ちゃんの事が大好きだ。
そんな姉ちゃんとの話の一つ。
一つ年上の統子姉ちゃんは、昔から凄い人だった。
聡明で、運動神経抜群。弟の俺でもどきりとするほど整った綺麗な容姿をしていて、まさに死角無しという感じの人だった。
学校での成績は優秀、ピアノとか色々な習い事をこなしてもいた。
当然男に人気があり、俺の友人が家に来て一目惚れして、告白に走るくらいだった。
そんな統子姉ちゃんの口癖にこんなものがあった。
「あんたと私じゃ、命の格が違うから」
人前では決して言わない、俺と二人だけの時にだけ口にする言葉だった。
状況は様々だったが、テレビのチャンネル権、おやつの残りの取り合い、買い物の手伝いを俺がごねた時など、争いになった時は確実にこの言葉で心をえぐられた。
「どうせあんた大したことできないんだから、できる私の言うこと聞くぐらいはしなさいよ」