銀のエンゼル様
2011-05-10
毎日陽が落ちるまで学校に残り、体育祭の準備をしていた高校3年のころ。
その日も陽が落ちるころ、やれやれ終わったと自転車にまたがって学校を出ようとした。
すると、片思い中の彼女がかなり焦った様子で後ろから走ってきた。
「どうかしたの?」と尋ねると、
「今日は早く帰らなくちゃならないのに忘れてて…ヤバイなぁ」
おれは自転車通学だったのだが、彼女は訳あって隣の地区から(公立なので)電車で通っていた。
さらに、駅から学校まではバスでおよそ15分。だが、自転車のほうがやや早く着くくらいだった。
おれは意を決してこういった。
「駅まで後ろに乗せてってやろうか?」
次の日。
引き続き体育祭の準備に汗を流していたおれを、彼女が呼び出した。
そして、小さな包みをわたしてきた。
「暇なときに開けてね」&n