ラーメン二郎22
2011-02-25
そろそろ開店時間だ。
真冬の冷たい雨が降りしきる中、俺は近所で軽い用事を済ませ、店に向かって歩いていた。
とりおり傘を伝って水滴が膝に当たり、身震いする。氷のような冷たさだ。
・・雪になるかもな。
店の近くまで来て、ふと空き地を見ると、白い小さな子犬が雨に濡れてそこに佇んでいた。
「・・・捨て犬かな。」
俺のその、わずかなつぶやきを聞きつけたのか子犬が振り向き、
力いっぱいしっぽを振りつつこちらに近づいてきた。
俺を見上げる、真っ黒でつぶらな瞳。
体毛が雨に濡れて、子犬の痩せ細った体躯を露にしている。
「悪いな・・・もう開店時間なんだ。行かなきゃ。」歩き出す俺。
クンクン、と寂しそうに鼻を鳴らす声が遠ざかる・・・ああ