人を騙す冴えたやりかた
2009-07-26
鷹狩に出かけた家康は、喉の渇きを癒そうと寺に立ち寄った。
寺はみすぼらしく、屋根や土壁は破れ放題であった。
見かねた家康は
「なぜ寺の修繕をしないのか?」
と住職にたずねた。
住職は答えた。
「寺の修繕となれば、この辺りの農民に負担を掛けます。
貧しい農民達の心の拠り所の寺が、彼らを苦しめる事は出来ません。」
感心した家康が寄進を申し出ると、
「我が寺のみ将軍様から目をかけていただいては、他の寺社から妬まれます。
お気遣いご無用でございます。」
家康は寺を立ち去る際、小姓を集め命令した。
「お前達、遠慮はいらぬ。暴れ回ってこの寺を存分に打ち壊せ!」
将軍家康の命令に