凪子~空蝉

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2018-10-17

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『西暦二千年ころ、俺は大学生で家庭教師のバイトをしていた。予習の時間も入れると、それほど時給はよくなかったが、教職を目指す者にとっては、やっておいて不利になることはないと、割り切って家庭教師を続けていた。
 そして、二年目。厄介なことが起こった。通常、同性が担当するのだが、ある女子生徒の親は、なぜか男性の家庭教師を望んだ。それで、俺に話が来たのだ。
 レポートによると、その子の家は平凡なサラリーマンの家庭で、そんな家庭に生まれた中二の女の子は、虚弱体質で引っ込み思案の生徒だった。俺は、面倒くさい子だと思って、正直逃げたかった。だが、これも教師になるためだと思って、引き受けた。
 駅から歩いて二十分の家に出向いた。チャイムをならすと、パートのような制服を着たおかあさんが玄関に現れた。
「はい?」

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