くさったバナナ
2009-08-19
「キッチン」「TUGUMI」などの小説で広く知られるよしもとばななさん。今回話題になったのは、2006年6月に出版され、09年4月に文庫化されたエッセイ集「人生の旅をゆく」の中の一節だ。
エッセイで、よしもとさんは、東京の居酒屋で、飲食の後に、ヨーロッパから一時帰国中の友だちがおみやげに持ってきたデザートワインを開けたときのことを書いた。そのときは、友だちの送別会を兼ねており、店の女性アルバイトにグラスを借りて、仲間内7人で小さく乾杯した。
店内には、よしもとさんらしかおらず、あと2時間で閉店だったという。ところが、居酒屋の店長は、グラスを貸した女性バイトをキッチンで激しく叱り、よしもとさんらにも「困る」と説教をし始めた。
よしもとさんらは、友だちが海外から持ってきた特別な酒で、いくらかお金も支払うと説明したが、店長は一度許すときりがないと受け付けなかったという。
これに対し、よしもとさんは、「みながそれぞれの仕事のうえでかなりの人脈を持っている」と店長が見抜くべきだったと批判。持ち込みのリスクがなくなる代わりに、