土曜の昼下がりの情事

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2013-09-25

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七月最終の土曜日の午後だった。

帰ろうとして廊下に出ると、そこで、ばったり美由紀と出会った。
美由紀は私の係にいる三十三歳独身女性だ。

「帰るの・・・?」と言うと、
「ええ、帰ります。これから、中広の伯母の家に、このウナギを届けに行きます」と彼女は云う。

「それでは、外は暑いから、車で送っていってあげよう・・・」と云うと、
「えぇ!ほんと?嬉しい・・・」と言って美由紀は微笑んだ。

車を走らせた。
外は真夏の午後の太陽で車の中も相当に暑かった。

「随分、暑いね。暑いから、涼しい所で休んでから行かない・・・」

私は誘いかけると、美由紀は黙って上目遣いで運転している私を見つめた。
それは暗黙の了解・・・という美由紀の色濃い眼差しであった。

車は吉島の「上海」の暖簾をくぐり、薄暗い駐車場に停車した。
明るい昼間にこうしたホテルに入るのは初めだった。

美由紀も「係長さんは、案外、勇気があるのね・・・」と


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