そんな日常

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2010-12-19

理由は分からないけど、僕と彼女は一時期、よくそば屋に通った。
そば屋って言ってもちゃんとしたところじゃなくて、立ち食いそばのチェーン店で、値段も安かったから
二人とも部活に入ってるわけじゃないのに、放課後よく食べに行っていた。

彼女は油が得意じゃなかったから、だいたいキツネそばとか普通のかけそばを食べて、
僕は毎回違うのを食べてたけどコロッケそばが特にお気に入りだった。

でも、僕がコロッケそばを頼むと、いつも彼女はなんか奇異の眼というか不安そうな顔でこっちを見てきたので

たまに僕も弁明として、コロッケそばがいかに立ち食いそば界の傑作かを説明することがあった。

「ほら、このコロッケがつゆで柔らかくなって崩れるでしょ?そうすると、崩れてモロモロになったやつが、たぬきそばのたぬきの役目をするんだよね」

そうやって丁寧に説明するんだけど、彼女は全然納得いかないみたいで
どうでもいいところに突っ込んできたりした。

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