「ベイル・アウト(緊急脱出)」
2007-07-20
命かけ住民守った13秒
なぜ、航空自衛隊のパイロットは「ベイル・アウト(緊急脱出)」を二回叫んだのだろうか。
平成十一年十一月二十二日午後、航空自衛隊入間基地所属のT33ジェット練習機が
埼玉県入間川の河川敷に墜落した際、東京電力の高圧送電線を切断し、東京・埼玉の約八十万世帯で停電となった事故で死亡した二人の乗員と管制塔との交信記録が示す疑問である。
今年四月、空自の事故調査委員会が発表した調査結果によると、パイロットは「ベイル・アウト」を通報した後、十三秒後にもう一回、同じ言葉を叫んでいた。
航空自衛隊関係者は「いったん脱出しようとしたが、さらにもうちょっと頑張ろうとしたためではないか」とみる。
事故当時、私立狭山ケ丘高校(埼玉県入間市)の校長、小川義男さん(六七)は、国道16号を車で移動中、突然、停電で信号機が消え、白バイなどが大急ぎで走り去る中、立ち上る白煙を見た。
その後、校長仲間である私立西武文理高校の佐藤英樹校長が「あのジェット機は私の学校の上を飛ん