寄り道

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2019-04-24

「あっ。お疲れさま。」 
仕事場のビルを出て帰宅するため駅へ向かっていたボクは、曲がり角で突然声を掛けられて吃驚した。 
それは同じフロアで働く娘だった。席は確か、ボクらの背中を見る位置にある隣のシマだったように思う。

「あれっ、お疲れさま。君も?珍しいねぇ。」 
「ええ。ふふっ。ちょうどキリがよかったので。?いつも遅くまで、お仕事なさってますよね?」 
そう言った彼女もほぼ毎日残業していた。夜遅くまで女の子を働かせて良いのかなと思いながら、別会社 
という事もあり、余り深くは考えずにいた。同じフロアで働いてはいても様々な会社の集まりなのである。 
「君こそ。いつも遅いようだけど、大丈夫なの?」 
「わたしは、もう、慣れちゃいました。うふふっ。」

そういえば以前のトラブル対応時にも彼女はいた。徹夜作業メンバに紅一点だったので、よく憶えている。 
噂話には疎いボ

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