精通は珠算の先生の口の中で

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2020-04-26

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あれから20年以上が過ぎた・・・。
田舎の小学校を卒業し、中学の入学式までに1週間くらいの休みがあった。
なんとなく街に行きたくなって、親には内緒で電車に乗った。
街といっても地方都市だからそんなに都会ではなかったけど、駅前にはデパートがあり、中にはゲームコーナーがあった。
1人で入ったのは初めてで、少し大人になった気分だった。

高校生らしい数人がゲームしており、不良みたいな感じがしてたので、遊ぶのは諦めて本屋で立ち読みをしていたら、背中をポンと叩かれた。
びっくりして振り返ると、見覚えのある人だった。

「ナオ君だよね、先生のこと覚えてる?」

そう聞かれて思い出した。
小4の時に半年間だけ通っていた珠算塾の先生だった。

「1人で来てるの?」と聞かれ、「春休み」と言うと、「そうか、4月から中学なんだ」と言った。

「先生もお休みだからドライブでもしない?帰りは送ってあげるよ」

電車代が浮くと思ってOKした。


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