ラーメン二郎18
2011-02-25
2008年9月4日、北関東カネシ製造プラント。
警報が鳴り響く中、技術者達が机上の図面を睨んでいた。
「ここです。この油圧ポンプの崩落によって、冷却水供給が完全に停止している。」山田技師補が図面を指差す。
「このままカネシ濃度が上昇し、臨界を迎えれば・・・」室長が山田を見る。
「炉心は爆散。二郎換算で約8億杯分のカネシがばら撒かれ、関東は千年の荒野となるでしょう。」
沈黙。油圧ポンプの故障により制御棒も稼動しない。絶望的状況。
「…臨界を止める方法が、ひとつだけ…『乳化』です。
故障した油圧ポンプは、カネシ槽の直上にあります。これを利用する。ポンプの油を流し込みカネシを乳化します。」
おお…と、感嘆の声が上がるも、山田の表情は硬い。
「…問題がひとつ。そのためには手動でポンプのバルブを回す必要があります。
ポンプは炉心の直上…高濃度のロット線の中での作業になる。」
再び沈黙。山田が挙手をする。
「私が行きましょう。ポンプの構造は、私が一番詳し