性行為の表現が下品にならない日本語
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「目が合う」ということと「セックスをする」ということの間に大きな一線がなかった古代以来、世界に類を見ない、性をめぐる日本の高度な文化はいかに生れたのか?
先頃亡くなった橋本治の論考から引用します。
橋本治「性のタブーのない日本」より
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日本語には「FUCK」に対する動詞がありません。
女性器名をサ変動詞にして「おまんこする」という種類の表現にしているだけで、性交自体を表す動詞がありません。
だから、「FUCK」を日本語に訳すと、ただ「やる」です。
「FUCK」にふさわしい品のない表現だと思って、私は「やる」とか「やっちゃった」を連発していますが、ただ「やる」だけだと、「なに」をやるのか分かりません。
でも、それでいいのです。日本語は「FUCK」に対応する動詞がないのだから。
なぜその動詞がないのかというと、日本には「その行為」だけを特別にピックアップする習慣がなかったか