マッサージの出前
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『マッサージの出前』
俺の整体の師匠は怪しげではありますが、自称ゴットハンドと名乗っていて
そこそこイケメンなのでおばちゃんに人気があって忙しいもんで出張治療によく行かされました。
まだ駆け出しだった頃、初めて行ったのは近所で顔見知りの奥さんの家でした。
小島さんていう家だったんですが・・
師匠から言われたのは、俺には骨盤調整とか難しいとこは無理なんで、痛いところにはなるべく触らないようにして、全身の血流を高めるようにと。
体操は自分でやるマッサージ、マッサージは人にやってもらう体操、ということで。
「ごめんくださーい、撫岡(なでおか)治療院です」
声をかけると奥さんがジャージにカーディガンを羽織って出てきた。
「あら!木ノ下くん?撫岡先生は?」
「予約でいっぱいで俺に行ってこいって」
「あなた整体できるの?」
「基本的なことは一応」
「しょうがないわね、じゃやってもらおうかしら」
部屋に入ると座椅子で何か食べながらテレ