有名人官能小説 石原さとみ
2006-09-15
薄暗い階段を駆け登り部屋のドアを開けると、オレンジ色の光が眼
に差し込んだ。光を手の平で遮りカーテンを閉めると、中島夏彦は
バッグを学習机の傍らに投げ捨てた。この季節は西日が厳しいため、
朝からカーテンは閉ざしてあったはずだ。
ママが掃除に入ったに違いない。
夏彦は舌打ちした。
だがいつもと違う、いや、いつもと同じと言うべきか。
脱ぎ散らかしたパジャマもそのままで、昨晩性処理をしたティッシ
ュもグラビア雑誌の隣で畳の上に転がっている。ゴミ箱に捨てたマ
マにナイショの0点のテスト用紙も無事のようだった。
ただ、この古い空き箱のような部屋の片隅に、見慣れない奇妙な物
体の存在があった。背丈は130センチもあるだろうか、それは巨
大な貯金箱のようなダルマの置物。金属で出来ているだろうその物