プライドの高い妻
2023-08-20
私と夫との出会いは、運命的なものでもロマンチックなものでもなく
ごくありふれたお見合いのようなものだった。
高校を卒業後、私はテ●●スタッフという派遣会社に登録し
秘書検定にチャレンジしたり、様々な研修なども積極的に受講して
ある企業の総合受付スタッフとして勤務していた。
受付、、会社の顔とも言うべきこの仕事に私は誇りと責任を持って取り組んでいた。
そんなある日、昼食休憩から戻ってきた直後、受付にある内線電話が突然鳴った。
急いで、でも丁寧に、受話器を取ると社長からだった。
社長自らが、わざわざ受付に電話をしてくるなんて、かなりレアなケースだった。
そのせいか緊張で受話器を持つ手が震えた。
社長は、いきなり私の名前を尋ねてきたので、
電話に出る時に、「受付でございます」とだけで、名前を言わなかった不備を後悔しながら、
名前を申し上げると「すぐに社長室に来るように」と言われた。
いったい何なのだろう