かわいい姉
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今年の春休みの直前、他県に単身赴任中だった父親が突然体調を崩し、母親が一人で看病に行くことになりました。
(後日、単なる過労だっただけと判明しましたが……)
もともと春休みは毎年母の実家で家族全員が過ごすことが慣例になっていたのですが、今年は姉と二人だけで行くことになってしまったわけです。
僕と姉は、自宅で留守番しててもよかったのですが、なにしろ姉も僕も料理などやったことがなく、また他に親戚もいないので母の希望に従い例年どおり祖父母の家にやっかいになることにしました。
祖父母の家は、本当の山奥で電車を乗り継いでいかなくてはならない大変な田舎です。
父親の体調が心配でしたがこうして姉と二人だけの列車の旅に少し楽しさも感じていました。
僕は、普段別の町の学校の寮に住んでいるためこんなふうに姉と話すのも久しぶりのことでした。
電車の中で、姉は饒舌で、ずっと笑っていました。
僕は、ずっと姉の目を見ながら、話を聞いていました。
僕は、姉の笑ったときの目が好きなんです。
僕の姉は中学