剛毅な女上司
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私が今の職場に就職を決めたのは、特に深い理由があったわけではない。
たまたま参加したセミナーで「3年働けば家が建つ」なんてキャッチフレーズに惹かれて
なんとなく入社した。
これだけで、ぴんときた人もいると思うが、私の職業は某大手消費者金融だ。
早慶上智と称される大学に通っていたので両親には泣いて反対された。
この時のことが元で10年以上経った今でも両親とはギクシャクしている。
私が入社した当時はイメージ戦略でCMを流しまくって、ある意味流行っていたため
同期の中でも大卒の割合が多かった。
しかし、古い人の中では、やはり業界特有の一癖もふた癖もある人も多くいた。
私が最初に配属された支店の店長もかなり変わったキャリアの持ち主だった。
店長と初めて会った時の印象は今でも忘れられない。
店長の小倉由紀は私より一つ年上の23歳の女性だった。
彼女は某地方都市で生まれ育ち、家庭の事情から筋金入りのヤンキーになり、
高校入学と同時に夜間高