キャバ嬢を愛して10

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2009-11-07

12月。
激動の1年もあと1ヵ月で終わろうとしている。
11月のカレンダーを破りながら、妙な感慨にふけってしまう。

「課長、なにボサっとしてるんですか? 資料チェックしてもらえました?」
カレンダーの前に突っ立っている俺に、平田が怒号を浴びせてきた。

平田は1年目とは思えないほど、精力的に仕事をこなし続けている。
最初は『春菜』のことを忘れるために働いている、と公言していた。奴なりの、本気の純愛だったのだ。
しかし、そのうち、本当に仕事が面白くなってきたらしい。今では仕事をすることが単なる逃避ではないことが手に取るようにわかる。
さらに責任の重い仕事を任せるようになるであろう来年以降は、ウチのエース格として、その実力を発揮してくれるだろう。

「そーいう平田くんはD社用の資料どうなってんの~?」
声を掛けたの小西だ。
引き留めはしたものの、もしかすると早期に自主退社するかもしれないと思っていたのだが、今のところ

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