タクシー。
2005-12-01
ある寒い夜、髪の長い女が道路の脇に立っていた。
その女は、タクシーを前髪の間から見つけると、今にも折れそうな華奢な腕をあげました。
タクシーは、停まってドアを開けると女に「どちらまでですか?」と聞いたのです。
女は、「○○の交差点を右に曲がり、それからは、真っ直ぐ行って下さい・・・」
と、夜の闇の中に吸い込まれそうなか細い声で答えたのです。
運転手は、「わかりました」というと車を発車させました。
また、運転手が、「今日は、寒いですねぇ~、」と言っても、女は頭を下げたままで髪の毛で顔は見えなく、返事もしなかったのです。
○○の交差点を右に曲がり、ずっと真っ直ぐ行っているとどんどん山の中に入っていきました。
運転手は、「本当にこっちでいいんですよね?」と聞くと女は、「・・・・はぃ・・・」と答えるだけでした。
運転手は、そのまま、30分くらい車を走らせていると突然女が、「ここで・・・」
と言うのです。しかし、周りは真っ暗で少し先に薄暗い家の明かりがあるのが見えるだけです。