Tさん外伝
2009-08-26
幼稚園の頃、大好きなじいちゃんが死んだ。
葬式で来た坊さんがじいちゃんを殺したと思って、お経中に「死ね!ナッパ!」と叫びながら思い切り後頭部殴った。
するとその坊さんから「モルスァ」みたいな事をいいながら悪霊がすごい勢いで飛んでいった。
と、同時にじいちゃんの霊が俺の目の前に現れる。
「やれやれ、やっと出てこられた。もう少しでその悪霊の仕業で天に昇れず魂ごと棺桶で過ごす事になるところじゃったわい。」
そうか…!親父が諸国を巡る修行に出ていて、その間にじいちゃんが急死…
守る者が居なくなった寺を狙って悪霊が三流の坊さんに取り憑き、葬式に紛れてウチの寺を乗っとりにきたのだ。
「じゃが、ワシの自慢の孫が強い霊力を秘めていたというのは予想外じゃろうて」
じいちゃんがカッカッカと笑う。