「嵐の夜に」途中放棄版

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「嵐の夜に」※未完

今年の梅雨は遅れて来たと聞く。
最近の地球はオカシイな、などとカレンダーを見やる。もう7月になろうかという時期に、梅雨は続くようだ。いい加減、ウンザリする。夏が待ち遠しいわけではないが、早く過ぎぬかと、切に願わずにはいられない。
しかし、そんな梅雨にも、思い出はある。——こう言うと、安っぽくなるのだけど——忘れられない思い出が。

***

ゴゴウォーン。
ソラが吼えた。煌めく稲妻はソラを奔る。いくつもの稲妻が、まるで、竜が翔んで、舞っているかのようだった。そして、その舞台たるソラは、黒く渦巻いていた。または、降り頻る雨。時益しにも、それは強く強くと、次第に、窓がノックされた音楽が部屋に響く。それは、ちょっとしたホラーだったのかもしれない。俺にとって、ではなく——妹にとっては。
「ねぇ、雷って、いつまで続くのかな……?」
「ん? 明日には黙るんじゃねーの?」
「ちゃんと、答えてよ!」
適当に、受け流すのは、そろそろ気まずい御年頃だからか。でも、揄[からか]い


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