mother(純情編)
2010-09-08
http://moemoe.mydns.jp/view.php/22068
つづき
父が頻繁に帰宅するようになって俺の心に嫌なものが芽生えた。
後から考えると理不尽で、おかしい考えだと思うが、
それは嫉妬心というより、単に”母に裏切られた”という怒りのような感情だった。
俺は子供だった、特に心が幼かった。だから、そういった感情を隠すこともできずに、母に対する態度にもろに出てしまっていた。
当然、母はそんな俺の変化に気づいた。
「もうずっと前からお父さんに対して何の感情も無いのよ!あるとすれば、それは、徳君の父親だということ、そのことを思う時だけ、あの人を少しは愛しいと思うわ。あの人は徳君の父親。私の命より大切な貴方の父親なの。だから、黙って、あの人の好きなように・・・」母は泣いていた。
「別にいいよ。何、泣いてるの!俺は、何とも思ってないから」
「嘘よ。ここのところ、ずっと機嫌が悪いじゃないの!」
俺はつい思わず言ってしまった。
「そうかも