ブーンは歩くようです #4-2

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2009-06-20

http://moemoe.mydns.jp/view.php/17133のつづき

最終部  古に続く伝統と、それでも足を欲しがった女の話 後編

― 9 ―

(  ω )「……」

あの日から一週間。食事もろくに取らず、書斎にこもっていた。
机上に置かれた書物の原稿には最終項目の表題が記されているだけで、その後は未だ一文字も埋まっていない。
その隣。ほぼ白のままの原稿とは対照的に文字が羅列されている、一枚の紙。手に取り、ぼーっと眺める。

(  ω )「……汚い字だお」

この一週の間に、ジョルジュから一通の手紙が届いていた。結婚式の招待状だ。
そこには乱雑な字で、式の詳細が記されていた。





結婚式は親族とごく一部の人間だけで密やかに執り行われるらしい。
長老の孫の結婚式

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