何度も聞かされた話

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仕事でその山間ちかくにいく時は、いつもその民宿を利用した。
Fさんという話しずきの爺さんがいて、
子供のころの事とか、おなじ話を何度もきかされた。

Fさんは、母親の実家でばあさんに育てられたらしい。
その実家には兄叔父と弟叔父がいて、
兄叔父は知恵おくれで腕力だけ強くて、バカ叔父って呼んでた。
バカ叔父は、うらの物置のかげでよくセンズリこいてて、
Fさんは近所のガキ仲間と一緒にのぞいて笑った。
時々、ばあさんが来て、そのままバカ叔父をつれて物置にはいった。
 「中でなにしてたんだか知らんけどよー、
  バカでも男は男だし、
  ばあさんになっても、あそこは女だよなぁー」

弟叔父はまともだった。弟叔父には嫁がきた。
そこの風呂は土間の隅にあって、仕切もなくて、
風呂に入るときは、家族のまえで裸になるのがあたり前だった。
嫁叔母は、Fさんたちが寝た頃に風呂にはいってた。
夕めしの片づけとか針仕


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