僕子2

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2006-10-09

前編:僕子
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大学生活も体に馴染み、俺は新しい環境にすっかり順応していた。 
そんなふうに言えば聞こえはいいが、 
環境の変化に多少の張りがあった生活も、すっかりだれてしまったと言った方が正しいかもしれない。 
しかもまさに生かすも殺すも自由な夏期休暇になると、さしてバイトも入れていない俺は悠々自適な毎日を送っていた。 
同級生から僕子の噂を聴いたのは、そんな時のことだ。 

就職した僕子に遠慮し、俺はしばらく連絡をとっていなかった。 
正直に言うと僕子の電話番号をディスプレイに表示させて、ただ眺めるなんて事が何度かあったのだがそんな事はどうでもいい。 
なんでも僕子は、就職先でかなりの才能を発揮していたらしい。 
上司にも気に入られ、それなりの肩書きまでもらっているそうだ。 

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