公園でこっそり
2019-04-16
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これは私がまだ高校生だったとき、地元の公園で起きた出来事である。
その公園は公営住宅の一画にある広い公園で、大きなグラウンドや遊具、それに多少の緑もあり、それが死角となっていたため、別の高校へ行った友人達とたむろする絶好の場所でもあった。
公営住宅の住人達は低所得者や夜の仕事に身をやつしているシングルマザーも多く、一般人もあまり寄り付かない。
多少の悪さをしても見て見ぬふりだ。
子供達も放っておかれることが多いのか、夜遅くまで公園で遊んでいる子供もいた。
暇だった私は得意なサッカーを仲間に自慢してやろうと子供達からボールを借りてリフティングを見せてやった。
それを見た子供達は大喜びで、私を「師匠」などと呼び、サッカーを教えて欲しいとせがんだ。
聞けば、地元のサッカーチームに入りたかったが、お金もかかるので親が許してくれないのだそうだ。
「いつかサッカー選手になって大金持ちになりたいんだ」と息巻いている子供を見て、ここはブラジルか!とツッコミたくなった。