大トリは執行官
2014-02-06
大須演芸場:強制執行も笑いに「サプライズゲスト執行官」
おもしろうて、やがてさみしき演芸場--。
慢性的な赤字経営ながらも半世紀にわたって存続してきた「奇跡の寄席」、大須演芸場(名古屋市中区大須)は、閉館が決まってから連日の大入り満員だった。
芸人たちも強制執行をネタに、笑いの殿堂の雰囲気を懸命に守り続けた。
だが、強制執行は予定通り3日午後に実施。
芸人や客が去った演芸場に、祭りの後の静けさだけが残された。
この日の無料公演は1、2階とも立ち見が出る大入り。
午前10時半から16組の芸人が出演した。
入場できなかった人たちのために、めおと楽団「ジキジキ」が演芸場の外に出て芸を披露した。
午後0時半ごろ、外部での講演に出向こうとする足立秀夫席亭(80)に市職員が近づいた。
滞納する税金の督促とみられるが、席亭は「俺が絞め殺されようとしているこの日に来るなんて、人情というものはないのか」と一喝、追い払ってしまった。