同窓会で初恋の相手と

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高校卒業30周年の同窓会があると言うので、参加してみる事にした。会場ではすっかりおじさん、おばさんになった同級生たちが、お互いの変わりように驚いたり、笑ったりしている。かつての悪友たちも家族を持ち、家を持ち、人生設計を持っていた。俺にはそのどれも無かったが、人に言えない仕事のおかげで、金だけはうなる程あった。

そんな中、俺は無意識の内にトモナガハツミを探していた。トモナガハツミはバレエをやっていた才媛で、俺の初恋の相手だ。俺だけではない。クラスの男子全員が彼女を好きだった。

誰が最初に彼女を落とすか、男子たちはこぞって告白をしたが、全員自爆した事は、この同窓会でも笑い話になっている。旧友たちはお前はなんで、トモナガに告白しなかったんだ、と俺を揶揄したが、お前らの自爆テロみたいな告白ゲームと一緒にするなと反論した。

そのトモナガハツミは会場に来ていない。幹事によると参加予定の返事をもらったが、飛行機が遅れているのかも知れないと言う。トモナガハツミはロシアに住んでいた。卒業後、ロシアのバレエ団にスカウトされ、後に世界的なプリマドンナになった事は、皆が知っている。彼女はロシア


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