最高に輝いた日
2010-02-19
中学生の時、オレ達はいつも5人のグループで行動していた。授業サボッて近くの港の防波堤の上で何時間もバカ話したり。5人の中に一人、在日出身者がいた。カレは通名(日本名)を使っていたしみんな噂には知っていたけどあえて口には出さなかった。
オレ達にはそんなもん関係なかったし、それに「差別」ってモノを身近に感じた事が無かったから。カレがどんな境遇にあり、どんな思いをしているのか理解できなかった。だから今まで通りの親友の5人でずっといられるなら、それで十分だった。
そんなある日、確か卒業式の数日前のある夜の事だったと思う。その時に事件は起きた。みんなで公園でダベッているところに高校生らしき数人が通りかかりオレ達に向かってニヤニヤ笑いながら「そいつのオヤジ、知っとるで お前チョンボ(蔑称)やろ、ここで何しとんじゃ!」こう言ってきた。
最初オレは頭が真っ白になって何が起きたのか訳が分からなかった。理解できなかった。でも次の瞬間こんな言葉が浮かんだ。コレガ サベツ トイウモノナノカ? コンナコトヲ イウヤツガ ホントウニイルノカ?