おしりな栞ちゃん 第四話

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2013-12-08

一人暮らしにしては大きめな冷蔵庫のドアを開けると、出てくるわ出てくるわ、いったいどこに収まっていたんだろうと思うくらいの食材の数々に、裸エプロンでいることの居心地の悪さも忘れて、びっくり仰天の栞ちゃんです。
「いいって言ってるのに、実家から送りつけてくるんだよね。ま、おかげで不自由はしてないけど」
 栞ちゃんのお家のお庭にも家庭菜園がありますが、お兄さんの実家は本格的な農業も営んでいるようで、次々に取り出されてくる中でも野菜が目立ちました。
 キャベツにレタス、たまねぎにきゅうり、なすにプチトマト、ねぎ、人参、ごぼう、大根、じゃがいも……いずれもスーパーで売っているものと比べて大ぶりで、冷蔵庫に入れられていたにしてもみずみずしさは満点といったところでしょうか。
「栞は好き嫌いある?」
 さすがに全部は食べきれませんから、その中からあれこれと見繕っているお兄さんに訊かれて、ちょっぴり考え込んだ風の栞ちゃん、
「レバーとお刺身……あ――」
 小学生が典型的に苦手としている食べ物の名前を挙げて、そこで口を噤んでしまっ

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