静かな戦い

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2010-01-22

顔のすごくいい同僚がいる。
職場が同じ、自宅の駅も同じ、趣味も同じく剣道ということで仲良くしているが、
言葉の端々に典型的膿家脳っぽい発言が出てくるので男としては見ていない。
実際、実家がイチゴ農家を営んでいて、本人も農学部卒。
「今の仕事は都内で嫁を見つけるまでの腰掛け」
「従順な女は少ないが居なくはない」
「しかしどうも尻が小せえからなあ、お前もそうだけど」
「ああ、はやく帰りてぇ」
こんなことを事あるごとにぼやいている。
口説かれたことあるけどマジ無理。あくまで友達。

そんな彼と、いつものように一緒に帰っていたとき。
自宅の最寄り駅の改札を出ると、イチゴ満載の軽トラックが停まっていた。
農家の人が直接売りに来ているあれだ。
トラックの脇に立っているお兄さんは筋骨隆々。
でも、都会の人並みに怖気づいているのか、客寄せの声も出さずに
おどおどしている。


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