遊仙郷1
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なおぼんの「中国もの」です。
早発白帝城 (李白) つとに発つ白帝城
朝辞白帝彩雲間 あしたに辞す、白帝、彩雲の間
千里江陵一日還 千里の江陵、一日にして還る
両岸猿声啼不住 両岸の猿声、啼いて止まざるに
軽舟已過万重山 軽舟、すでに過ぎる、万重の山
私(わたくし)は小舟に乗って、長江の支流を遡っておりました。
船頭の柴永(さいえい)が揚々と歌います。
「孟先生(私のこと)この先に紫家荘という村があります。そこから十里ほど山を登られたら、栗林郷(りつりんきょう)でござんす」
「そこはどんなところなんや?」
「あっしもよくはしらねえけんど、別嬪がたくさんおるちゅうことです」
「女か」
「へえ。先生も腰を抜かしますで。ひっひっひっ」
いやらしく笑う柴永でした。
「ふうん」
私はちっとも興味が無いという風に装いましたけど。
妻を亡くしてからというもの、女体