妊婦襲う
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近くのスーパーでよく会う美しい女性がいた。
俺はその女性に恋をしていた。しかし、初めて会った時から彼女は他の男のものであることはわかっていた。
彼女は妊婦だったのだ。
日毎に大きくなっていく彼女の妊娠腹。
彼女のスリムな身体はそのままに、腹の丸みだけが美しくふくらんでいく。
俺はその丸みをリアルに確かめたくて、そして記憶したくて抑えられなくなった。
俺はすでに彼女が住む住宅の一室を突き止めていた。
のどかな住宅街の昼下がり、俺は彼女が自宅のドアを開けた瞬間、後ろから彼女を抱えて持ち上げた。
意外に軽い。俺は家の奥で目についたソファーに彼女を倒し、そばにあったクッションを顔にぶつけた。
「い、痛い……」
これが初めて聞いた彼女の声だった。
彼女が顔を押さえてもがいてる間に、俺はパーティーグッズの唇が描かれたマスクと、目玉が描かれたメガネをかけて変装した。
ようやく彼女は自分の前の、ケッタイな顔をした俺に気づいた。俺はソファーを蹴って、彼女をひるませると言った。