続 小池栄子の体験談
2005-05-03
「今日は、栄子ちゃんに提案があるんだけど」
放課後。写真部の部室に呼び出された栄子は、慎吾にそう言われた。
「どうせ、ロクでもない事なんでしょ?」
冷ややかな栄子の態度に、慎吾は気にする様子もなく、言葉を続けた。
「これから、テニスでもしないか?」
「はあ?」
あまりにも予想外の言葉に、栄子はとっさに意味を理解する事が出来なかった。
「どういう事?」
「どういう事も何も、さっき言った、そのまんまの意味なんだけどね」
小馬鹿にするような慎吾の口調に、栄子は怒りを覚えた。
「何で私があんたたちとテニスをしなきゃ、いけないのよ!!」
「じゃあ、このテニスに今までの写真をかける、って言ったら?」
今まで黙っていた武志がボソリと口にした一言は、栄子にとって衝撃的なものだった。