誰よりも幸せになってください。
2014-03-26
俺と兄は15も年が離れている。俺が4つの時に父が脳溢血で死に、後を追うように母も死んだ。
それから兄は俺のためだけに生きてきた。
一流といわれる大学に通っていたのに、学費が高いからと辞めて、働き始めた。
だけどどんな時でも6時に起きてご飯と弁当を作ってくれたし、夕飯のために帰ってきて、また出て行った。
誕生日やクリスマスにはお手製のケーキでお祝いしてくれた。
寂しいと泣きわめいたときは頭をずっとなでてくれた。
学校の行事には全部参加してくれた。
休日には公園で遊んでくれた。夏休みには海にも泊りがけで連れて行ってくれた。
中学生になった時、買ってくれた携帯電話には一日5回は着信やメールが来た。
反抗期でひどいことばかり言う俺に文句一つ言わず、黙って受け止めてくれた。
「俺の代わりだ」と言って高校も大学も私立に行かせてくれた。