拒まれて

開く
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激しく抵抗する女…。それでも強引に襲いかかる男…、それが知り合いの男性なら、抵抗続ける女性もついには性本能が勝って変身して男性にからだを与えていく。あの時、俺も渡辺マサコさんに抵抗されても襲いかかるべきだったのか…。

過ぎ去ったあの日、夜明から降りだした雪は、街でも20センチは積もっていた。前日は出産直前の妻にあって安産を祈願し、その日は、市役所会議室で開催した人勧給与改定の地区説明会で集まった関係者に二時間説明し、終わって関係職員と夕食を共にする。その後、日頃から親しくしていた渡辺マサコさん宅に立ち寄って、一緒にいた竹内君と再び飲みはじめ、酔いつぶれてそこに泊まる。

渡辺マサコさんは戦争未亡人だった。
昭和十九年秋、ご主人が出征する直前に結婚し、すぐに子供を授かったが、
ご主人は南方戦線で戦死し帰らぬ人となった。その時、奥さんはまだ十八歳だった。
それから奥さんは、たばこ屋を開店しながら女一人で子供を育て、
その子も、春には高校を卒業して警察官になっていた。

酒に酔っていた俺はそのまま炬燵に潜って眠っていた。


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