やさしいダンプカーのおっちゃん
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あたしが10歳頃のことでした。
小学校の生徒数が多くなりすぎて、分割化が盛んに行われた頃のことです。
今からでは考えられないでしょうが、一学年が十クラス以上なんてザラでしたよ。
あたしの家のすぐそばの田んぼが潰されて、学校に作り替えられました。
それまで、3、4キロメートルも遠い小学校に通っていましたので、とても嬉しく、あたしも友達も出来上がるのが待ち遠しかったんです。
実は、五、六年生だけは、新しい小学校ができても、元の小学校に卒業式まで通って中学に上がることになっていました。
あたし、四年生だったんでギリギリセーフだったの。
あたし、楽しみなもんだから、学校ができる工事現場に足しげく通って、その様子を眺めていた。
ダンプカーがひっきりなしに土砂を運んできて、田んぼがみるみる埋まっていって、鉄筋の杭打ちが始まるの。
工事現場の休憩時間に、おじさんたちと仲良くなって遊んでもらったりした。
ずいぶん遠くから来たダンプの運転手さんがいて、とても優しかった。
確か