おふくろの味
2010-07-20
1972年10月13日 午後3時30分頃、ウルグアイ空軍機がアンデス山頂付近に墜落した。
同機に乗り合わせていたのは、試合のためアルゼンチンからチリへ向かうアマチュアのラグビーチーム“オールド・クリスチャンズ”の他に、チリの親戚のもとへ向かう乗客、そして二人の空軍パイロットの総勢45名だった。
操縦していた二人の空軍パイロットはどちらもベテランだったが、気流の大きなエアーポケットのせいで急激に揚力を失い墜落してしまったのだ。飛行機が胴体着陸すると同時に、機体の後部から二人の若者が投げ出され、雪の斜面を滑り落ちていった。乗客の多くが墜落時の衝撃で死に、飛行機は両翼と尾翼を失い、墜落現場は航路を大きくはずれていた。
こうして生存者たちは、平均1万3000フィート級の山岳地帯に閉じ込められてしまった。
この高度では植物は成長せず、視界に入ってくるのは、15mの深さに降り積もった雪の上に頭を出している岩だけだった。
ラグビーチーム“オールド・クリスチャンズ”は、5人の平修