元ネタ
2011-09-08
私が財布から紙幣を出していると、表のガラスドアが開いて、五、六歳くらいの女の子が入ってきた。顔を赤くし、必死の面持ちで
「あのう、すいません」
と言った。私の相手をしていた女性がはい、と言って女の子の方に向き直ると、彼女は
「あのう、チーズケーキはひとつ何円でしょうか」
と丁寧な口調で尋ねた。店員は女の子の必死の気配がおかしかったのか
「四百三十円です」
と笑いながら応えた。女の子は漫画のついた自分のガマ口を開け、二百円、三百円・・・、と声を出してお金を勘定していたが、
「ああ、ないー」
と悲しそうな声を出した。そして
「どうもありがとうございましたー」
と泣きそうな顔で言うと、ガマ口も閉めず一礼してガラスドアの方へ向かって駆け出した。
すると彼女にとっては厄日だったか、ドアの前で人と衝突し、ガマ口