田舎 ④
----/--/--
林間学校に行く前日の『帰りの会』で担任の先生が、
「山育ちのお前らが『自然に親しんでキャンプする』っても『なんじゃそりゃ?』なので、校長先生と相談して今年から単なる一泊旅行にしました。あまりハメを外しすぎて宿泊先に迷惑をかけて『今年限り』って事がないように。あ、○○荘は校長の親戚の旅館だから本当に迷惑かけるなよ。以上」
何だか色々『わかりやすい』話だった。
翌日、集合時間に合わせて学校に来てみたらワゴンが一台。担任の自家用車らしい。引率役の先生と合わせても5人なのでこれでも余るくらいだ。
2列目には僕とタケシ、3列目にはマキとサチが座った。
『あれ』からサチは通常運転に戻って、僕ともあまり目を合わせない。サチの中で『僕とあんなこと』を後悔してるのかなと思った。
「何でお前らが後ろに座ってんだよ!!監視されてるみたいで気分悪い!!」
早速タケシが抗議する。
「そうだよ。監視してんの。私達の後ろに座らせたらタケシに何されるかわかんないもん」
マキのもっともな理由だった。サチもうなずいてる。