離島
----/--/--
卒業旅行と称して、女子大生の娘たち3人は離島への旅行を計画した。
半日以上かけての船旅は、大学生活の締め括りに申し分のない思い出になる筈だった。
民宿を予約した。この島の観光シーズンは夏。空いている筈だった。もうすぐ春がくる。
娘の1人が民宿の予約をしたとき「島の秘湯」の話しを女将から聞いていた。
昔から島の鍾乳洞の奥には温泉が滾々と湧いているのだという。ミステリアスではないか。
娘たちは、島での楽しみが増えたことを喜んだ。秘湯は思いがけない旅のオプションだった。
彼女達が島に着いたのは夕刻だった。早朝に港を出た客船は、途中の島で乗り換えていた。
乗り換えた小さな船が着くと、島の漁港には民宿の女将が丁寧に出迎えに来ていた。
「いらっしゃいませ。長旅でお疲れでしょう。ささ。どうぞ」
と、娘たちを案内をしてくれた。
民宿に着いて海を臨む景色のよい部屋に通され、娘たちは一息ついた。
「感じのいいところね」
「親切そうね」
「のんびりくつろ