俺の借金を手コキで返してくれた妻
2019-09-03
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「もう100万くらい行ってるんじゃね?」
祐介が呆れたような顔で言った。
祐介は俺の大学のときからの友達で、社会人になった今も親友だ。
「いや、89万5千円だよ。ていうか、また上手くなってないか?」
俺はスマホのメモアプリを見ながら答えた。
祐介とは大学の頃からビリヤードをよくやった。
そして毎回賭けで勝負をしているが、実際にお金のやりとりはなく、こうやって数字上の金額だけを記録し続けている感じだ。
それにしても、俺もいい負けっぷりだと思う。
ひと勝負500円程度の賭けで、ここまで負けが貯まってしまうということは、俺にはビリヤードの素質はないのかも知れない。
「そろそろ精算するか?」
祐介が笑いながら言う。
と言っても、祐介も本気で言っているわけではない。
彼は卒業と同時に親父さんの会社に入社し、まだ30歳前だというのに、もう役員になってしまった。
親バカで典型的なダメな親族会社のテンプレかと思いきや、若