愛ヲ欲ス

開く
----/--/--

欲しい…

欲しくてたまらない…

身体が熱く疼く…

「ゆやさん、ちょっといいですか?」
「いいわよ。何?京四郎…」
振り向き様に縛られた髪が揺れ、その下に隠された白い肌が垣間見える。
手を伸ばしそれに触れようとして気付く。
小さな紅い痕…
すぐに察しは付いた。
既に、ゆやが他人の手の内にあることは分かっていた。
「狂と…いたんだね…」
それでも、欲しかった。
「え?」
何の躊躇もなくその紅い痕に触れると、ゆやは真っ赤な顔をしてそこから退いた。
苦笑いをしながらも、どこか幸せそうな表情のゆや。
心の奥底から湧き出てくる重苦しい感情。
その幸せを壊してやりたいと思うのは、非情というものだろうか?
ゆやを奪ったら、アイツは…狂はどんな顔をして、どんな想いをするだろう…
殺されるかな。
それでもゆやを欲しいと思うのは、単に自己満足に過ぎない


お勧めの体験談