誰がためにぞ
2005-11-01
若かりし日の話。
男友達の彼女に、かなり嫌なやつがいた。
とっても美しい人だったので、そのどす黒い感情を、初めは自分が彼女に嫉妬しているせいだと思っていた。
でも、仲間と集まって話している時に、そんな嫌な感情を抱いていたのが自分一人じゃないことに気が付いた。
「何だか、あたし達のことを蔑むように見るのよね、彼女。」と言うのはあきれた顔の女性陣。
「何かって言うと、『あたしとあの人、どっちが綺麗?』って言うのが口癖なんだぜ、彼女。」と言うのは辟易している男性陣。
挙句の果ては、当の彼女の彼氏でさえ、「初めは美人で優しいやつと思っていたけど、何だか最近疲れて来た。」と言い出した。
一緒に暮らす二人の部屋は、彼女が使うおびただしい化粧品や香水、洋服で溢れ返らんばかりだった。
いつも自分の美しさにこだわって、化粧直しのために5分ごとに席を立つ様は、まさに病的なほどだった。
それでも、彼はやはり彼女に惚れていたんだろう。ある日、「