鬼餅の由来

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2013-07-13

昔々、あるところに仲の良い兄妹がおりました。
賢く美しい妹は請われて遠くの村へ嫁いでいき、未婚の兄は両親と暮らしていました。
 
ある日妹は、こんな恐ろしい噂を耳にします。
故郷の村に鬼が住みつき、夜な夜な人を殺して食べてしまうと。
そしてその正体が、どうやら自分の兄らしいのです。
なんと兄は両親や村人を殺して食べ、鬼に変貌してしまったという話でした。
 
確かめに行ったところ家に両親はおらず、兄が1人でグツグツと、鍋で何かを煮ていました。
 
「おお妹よ、よく来たな。肉でも食え」
 
血走った眼はうつろで、見た目もまともな人間ではなくなりつつありました。
そして鍋からはみ出すように覗いていた具材は、人の手足でした。
 
(ああ、噂は本当だった。兄は狂ってしまった。なんと恐ろしい)
 
あわてて逃げ帰ろうとした妹を、鬼が引きとめます。
 
「逃げ

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